クリーニングいろいろ

当院でのクリーニングは大きくわけて3タイプあります
A:健康保険をきかせたクリーニング
B:自費の全体クリーニング
C:自費のスポットクリーニング

じっくり通院が可能であれば、一番のオススメはAの健康保険をきかせた治療目的のクリーニングです まずは歯周組織の状態をレントゲンと歯周ポケット検査で把握し、要治療部位があるかどうかをはっきりさせてからクリーニングすることで 隠れた炎症やパッと見ただけではわからない歯周ポケット内の歯石除去などを行うことができます

以前は治療面だけしか健康保険がききませんでしたが、現在は歯周治療後のメンテナンスとして定期的にクリーニングを行う時も健康保険がきくようになっています
これは治療あってのメンテナンスなので、まずは歯周治療を最後まで終える必要があります

保険適応メンテナンスクリーニングの流れ
(所要時間:約1時間)

①歯周ポケット検査
②歯の揺れ具合チェック、新しい虫歯がないかチェック 
③お口の中を赤く染めて管理状態のチェック
④以前の検査結果と比較し、必要なクリーニングを行う

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患者さんの中には、歯周ポケットの検査をしても正常値であり、意識の高さから定期的にクリーニングを望む方もいらっしゃいます
そのような場合には歯周ポケット検査やレントゲン検査を行わず1度の来院で終了するB自費の全体クリーニングがオススメです

もしくは、本来は要治療の状態だけど、仕事で忙しくて通えない方や 入院予定・手術予定があってその前準備としてクリーニングしたい方、結婚式や同窓会などのイベントに合わせてまずは綺麗にしたいという方にもB自費の全体クリーニングが良いでしょう

B自費の全体クリーニングでは、その方のお口の状態に合わせてクリーニングペーストを選択して使用しています


自費全体クリーニングの流れ
(所要時間:45~60分)

 染色により歯表面に付着しているバイオフィルムを検出(バイオフィルムとはプラークにバリアが張られた状態で歯にこびりついている強固なプラークで歯ブラシで落とすことが難しい)
 バイオフィルムを超音波で粉砕除去
 お口の中の状況に合わせた薬用ペーストで歯の表面を研磨し、歯周ポケット内に薬効成分を浸透させる

知覚過敏の方
敏感な神経の痛みを緩やかにする硝酸カリウム・象牙細管を封鎖して刺激を遮断する乳酸アルミニウムの他、バイオフィルムを殺菌するIPMP、歯肉の炎症をおさめるトラネキサム酸、薬効成分を閉じ込め歯表面を強くするフッ素 などを配合した薬効ペーストを使用

虫歯傾向の方 歯のはえかわり時期の子供 歯が脱灰傾向にある方(脱灰とは歯表面のミネラルが抜けて放置すると虫歯になる状態)
虫歯予防のためのフッ素高含有・キシリトール配合・脱灰部を崩さないために研磨剤を含まない薬効ペーストを使用

歯肉炎・歯周病傾向の方
バイオフィルムを殺菌するIPMP・炎症部分を消炎するACA・血行促進して治癒力を高める酢酸トコフェノール・薬効成分を閉じ込めるフッ素を配合した薬効ペーストを使用

着色傾向の方
研磨剤ではなくイオンの力で着色を浮かせて落とし、歯表面の細かなキズを修復して着色しにくい歯に仕上げる薬効ペーストを使用

 フッ素ジェルを塗布して歯を強くすると共に、使用した薬効ペーストの効果を封じ込める


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前歯の歯石だけとりたい、前歯の茶渋だけとりたいなど気になるところだけ部分的にクリーニングしたい方、クリーニングが必要な部分が決まっている方にはその部分だけというCのスポットクリーニングがオススメです

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当院では、よっぽどの理由がなければ、まずはきちんと歯周ポケット検査を行って治療の要否を確認してからどの方法でクリーニングしていくかを決めるべきだと考えています
もちろん、絶対ではありませんので、どうぞお気軽にご相談ください